小 説

□零れた恋。
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零れた恋。



藤崎Ver.



ーーー・・・いつの間にか俺はアイツに恋してしまったようだ


何でかっていうと、今までライバルと思っていた生徒会の・・・
あの『副会長』を見てるとドキドキするんだ。

いつどこでも出くわす度に悪態ついてきやがるうっとしーヤツだけど、
よく見てみると、意外と整った顔だったりとか肌白いとか・・・あとまつげが長くて綺麗だったり。


自分でもよく分からねぇ。



何度も何度もドキドキするたびにこれは違う!!と自分の心を否定していた。
でも、俺はあることに気が付いてしまったのだ。


ーー気がつけば、アイツの姿が視界に入るとずっと目で追ってしまう。
授業中や部活動やっている時でも、頭の中にまで姿が浮かんでくるのだ


寝てる時でも、しよっちゅう夢に出てきちゃうんだ
夢のなかのアイツはとても優しくて可愛かったり・・・・特に、ニッコリと笑うあどけない笑顔が好き

現実ではツンツンしてて夢とは大違いだけどな。
・・・それでも、やっぱり可愛いって思っちゃう俺がいる




ああ、末期だなぁって思う。


ーーーーーふと意識を現実に戻してみたら、ほら



廊下の向こうからアイツが歩いてくるのが見えた
いつもの相変わらずなしかめっつら。気が付いたら自然と頬が緩んでいた


・・・・さて、今日もアイツのところへ行きますか!










椿Ver.



いつの間にかボクはあの馬鹿を好きになってしまったようだーーー


そいつは人助けを部活動とする『スケット団』の部長。
僕にとってライバル的存在でーーー大嫌いだったはずなのに



何故かって?ーーーーだって、気がつけばアイツを目で追ってる
アイツが通り過ぎた時の僅かに香る匂いに酔ってしまう。
あと、たまにつかみ合いになるけどよく見てみれば意外と大きな手ーーー


相変わらずメンタルは弱いけど、時折見せる真っ直ぐな眼差しがいつもと
ギャップがあったりしてとても格好よく・・・見える


どうしようもない馬鹿なのに、ドキドキする。何でだろうな・・・



『嫌い』と口では言ってるが心ではーーーーーー

ああ、もう。ボクは思ったより溺れてしまってるのかもしれない




考え事を一旦やめたら、廊下の向こうからアイツが歩いてくるのが見えた。
ボクに気づいた瞬間すぐ早歩きでこちらに向かってきた


ーーーいつも通りの冷静さを装ってボクもアイツに近付いていく。










「なんだよ!下まつげ!」

「そっちこそなんだ愚か者!」




いつもの、ケンカが始まった。








(end.)







ーーーーーーーあとがきーーーーーーーー

お互い恋を自覚しちゃったっていう話でした。
相変わらず素直じゃない、微妙な距離感がとても好きです

 

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