Sexe

□Set me free
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「は?」

おそらく今の俺の顔はとんでもなく不細工なはず。

なのに。

「な、なんでそんなに弛んでんの?」

デレデレじゃん。

いやいや、それより問題なのはさ。


「誰にバレるって…?」
「あのひと」

あのひと?

「何がバレるって…?」


やべ。

口が渇いてきた。


俺を見て笑っている男の後ろを盗み見る。

ざわざわした空間で、そこだけ色があるように見えるのは俺の欲目。

「あ」

見つけたその姿に思わず声が出て。

恐る恐る視線を戻すと、またしてもガッツリ見つめられた。


「……バレるってなんの事?」

出来るだけ可愛らしく。


「俺らの事なら」
「知ってるよ? 俺」


真顔だし。


「お前ら切れてないだろ」
「う〜ん、あれを切れてないと言われるとちょっと複雑」
「なんでだよっ」
「だって、別に変な事してないし」

嘘だけど。

眼がね。

怖いですよ、このひと。


「バレて困るのはあんたじゃん? 二股だよ? 分かってんの?」
「…分かってる」


今までと何だかちょっと違う。

だってスゲー真面目な顔してるし。


もう一度、向こうに見えるあのひとに眼をやった。





ねえ。

どうする?

もしかしたら、マジでバレるかも。



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