Sexe
□Set me free
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「一つ聞かせて」
「なんだよ」
手を掴まれてんのが気になって落ち着かない。
前にあいつと付き合ってた時とは違う。
あの頃は、ドキドキして、ハラハラすんのが楽しかった。
「……二股バレたら、あんたどっち切んの?」
「………、」
「ヤバイよ、あいつ」
「ん〜?」
相変わらず、時間があればゴロゴロしてるヤツが振り返る。
シャワーを浴びて、濡れたままの髪が頬に張り付いて幼く見える顔。
もうすぐまた髪を切るんだろうな。
なんて思ったら、ついその髪に手が伸びた。
「…何か言われたか?」
「見てた?」
頷いて、俺の指に自分のそれを絡めて。
「別れる?」
極々普通の事みたいに言われて、ちょっとビビった。
翔ちゃんは、俺と翔ちゃんが付き合ってるのを、こいつが知らないと思ってる。
二股かけてる自分も悪いけど、こいつに友達面して恋人を寝取ったってバレてもいいのかって。
「そう言われた場合、別れるべきなの?」
どっちが?
「脅迫だよ、あんなの」
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