いま愛を語ろう
□タナバタ
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相変わらず(俺にだけ)毒舌な智くんに軽く凹んでますが。
「暑いならそろそろ場所変えない?」
いくら目立たない一角だとはいえ、サングラスに帽子の俺と違ってあなたは何故か何時もと同じ格好だし。
バレないうちに移動しようというわけなのでしたが。
「七夕ってさ」
智くん。
立つ気無いですよね?
このまま、ここって事ですか?
「七夕がどうかしたの?」
仕方なく浮かしかけた腰をベンチに戻して脚を組んだ。
そんな俺を、チラッと見たかと思うと、智くんはまたモソモソと話始めたのでした。
「何で一年に一回しか会えないか知ってる?」
え〜……。
「それはつまり、織姫と彦星がって事かな?」
「当たり前だろ」
って、あなたまた主語が無いですから!!
何とぼけた事言ってんだって顔はやめてくださいね。
「さ、さあ、その方がロマンチックだからとか…」
会いたい気持ちを募らせて、一年後に感動の再会ってロマンじゃね?
それはそれは盛り上がるでしょう。
色々と。
「ひでー話だよな」
「は?」
酷い?
感動の再会が?
「さいってーだよ」
智くん?
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