いま愛を語ろう
□フラワー
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「だいたい時間がないのって翔くんの方だろ?」
ブツブツ。
さっきから文句ばっかり繰り出される唇は半端なく尖っています。
今日の今夜の予定だから仕方がないとして、やっぱりちょっと切ない。
楽しみだな、とか。
気が利くな、とかさ。
言ってくれてもいいんじゃね?
「誘っといて、自分は仕事で行けないってどういう事だよ」
あぁぁぁ…っ。
マジごめんなさい!
「…だって急にロケが入っちゃって…中々時間取れない人のインタビューだから」
一緒に目覚めたベッドの中で花火大会に誘ったその一時間後。
『今夜仕事入ったよ〜』
「は!?」
マネージャーの言葉に半ギレ状態の俺に、智くんは最大級の溜め息を吐いた。
行くとも行かないとも言わずにベッドから(裸のまま)抜け出して、バスルームへ向かう智くんの背中は怒ってはいなかったと思う。
なのに。
「約束すんのは、出来そうな時だけにしろよ」
シャワーを浴びて出てきたこのひとは、俺を見るなりそう言って不貞腐れてしまった。
なんで?
つか、そんなに楽しみにしてたの?
眼が怖いんですが!
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