Unusual you

□Unusual you
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「だからね、この人は外科に回した方が良いと…」

裸の腕がX線写真を真上に掲げる


うわ、筋肉


「今、それ?」
「ダメ?」

最後までしてなきゃいいって

チガクない?


「貸して」

奪い取った写真を窓に向ける

荒れ果てた胃

その向こうに朝の清々しい太陽


「どう?」

真面目な顔

「ん、わかった、後で本田先生と診に行く」
「…サンキュ」


所詮、俺ごときが決断出来る訳じゃないのに

「上の先生にも言っといてよ」

未だ未だ後期研修医なんだからね


分かってるよの声と無機質な呼び出し音が重なる

「俺?」
「あ、俺だ」

投げ捨ててあった白衣のポケットから取り出す携帯


野暮だね〜

コソッと呟いて背中を向けた


はい、はい

小気味いい返事


どうやら俺はまだ寝てていいらしい

「寝る?」
「ん」

軽いキス


ドアの開く音

「今日俺当直だから」


行けないよの変わり


「はいはい」

パタン


毛布にくるまって微睡むこの時間






わりと好きだな








夜明け前
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