Sexe

□Strawberry
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車の中で、翔ちゃんはずっと謝ってた。

あんだけ酔っぱらってて、昨夜の事を憶えてるのもビックリだけど。


「俺…、昨日ニノがスゲー可愛かった」

そんな事言い出すなんてね、意外ですよ、全く。


「俺、リーダーとは別れたんだよ」
「えっ!?」

このタイミングって絶妙。

「だから、俺の事気にしないでアイツと付き合っちゃえば?」
「マジかよ…」

助手席に沈み込んで頭を抱えてる。

翔ちゃん、早く決めちゃえよ。

これは俺からのバレンタインプレゼントだよ。


「俺…、どうしよう。 智くんが好きなのに、お前を抱いちゃった」
「俺だった?」
「え?」


あの時、俺を俺だと思ってたかって事だよ。


翔ちゃんの頭の中は、アイツだったんじゃないのかって。

「ニノだよ、あたり前だろ?」


超絶真面目な顔で睨まれた。







「ありがとな」

シートベルトを外してドアを開ける。

その間も、眼は辺りを見回して落ち着かない。

「翔ちゃん」
「え?」

駐車場から見える局の玄関。

事務所の車から降りるアイツの姿。


「あ、」


智くん。

小さく聞こえた声は甘かった。



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