Sexe

□are you HAPPY?
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「時間は?」
「あ、そろそろだ」

コト、と。

マグをテーブルに置き、立ち上がったおじさんの手首を掴んでた。


「ニノ?」

見下ろす眼は半分笑ってやがる。

「あんたさ、今晩翔ちゃんと寝る?」
「……さあ?」
「なんだよ、初めてじゃないだろ? 教えろよ」


俺は昨日寝たよ?

相変わらず下なのが納得いかねえけど。


「まだ一ヶ月じゃん」
「は?…って、あんた」

まさか、まだ?


見上げる俺に向ける眼は、面白そうに笑って。

手首を掴む指を、ヤンワリと長い指が外していく。


「…焦らした方が燃えんでしょ?」

そう言って笑う顔が、過去の記憶と一致した。


「あんたさ……、まあ、いいけど」


俺の時もそうだったよな。

「妬いてる?」
「バカ言ってんなよ」

早く行って食われてこい。

翔ちゃんその気満々だよ、きっと。

「なあ、ニノ」
「なんだよ、早く行けって」

廊下を、玄関に向かって歩くおじさんの背中を押しながら言う。


「妬くなよ」


うっせ。



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