いま愛を語ろう

□秘密の恋の話
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よもや。


この歳になって、こんな恋をしようとは。








「翔くん」

後ろから声をかけるのはやめて欲しい。

「な、何!?」

あぁ、ほら。

声が上擦ってしまう。

「これ」

え?

用件は?

言ってよ! じゃないと…。

ぐいっ。

「うあっ」

肩を掴まれて力任せに後ろを向かされました。

「ヒトと話すときはちゃんと眼を見なさい」
「……はい」

尖らせた口に眼が行く。

「はい」
「はい?」


ニコッと微笑まれ、差し出されたのは小さな袋。

「な」

んですか?これ。

「はは、な だって」

イヤイヤそうでなく。

「プレゼント」
「え?」


クリスマスだからさ。

そう言って颯爽と?歩いて行ってしまったあの人。

「……」

呆気にとられたまま袋をさぐると、手に触れたのはゴツゴツした感触。

うわぁ。


掌に乗ってしまうほど小さなそれ。

「かっわいいなぁ」

来年の春に公開予定の、俺が主演の映画。

その主人公を型どった…、

「キーホルダー?」

語尾が上がっちゃったのはご愛嬌って事で。






智くん。

俺、あなたが好きです。



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