いま愛を語ろう

□初体験なオフの日
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「ダメ」

何で!?

「触るだけ」

だって、前にしたでしょ?

「や」

触るったって、手だけじゃね!?

「しつこい」


あーもー!!


「智くん、俺の事嫌い?」

涙が出そうなのをグッと堪えて、目の前で腕を組んで横を向く智くんに聞く。

「別に、嫌いじゃねぇ」


ああ、何時もと同じか。

はっきり言って聞きあきた。


あなたね、分かってんのかな。

そうやってはぐらかしてる顔が最近じゃいつも赤くてさ、目だって潤んじゃって。

かなりヤバイんですけど。







きっかけは俺の一言だった(らしい)。


「付き合ってるっていうの? これ」

言ってすぐ、地雷を踏んだ事に気が付いた。


「不満…?」

釣り雑誌から目をあげないで呟く口許が尖っていく。

不満です。

ずっと言えないで胸にくすぶっていた事。

毎日考えて、想像して。

たまに自己嫌悪に陥って。

「智く…」
「だめだって言ってんだろ」




キスしてー!!


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