いま愛を語ろう
□Sweeter and Sweeter
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「離せよっ」
掴んでた腕から払われた俺の手が。
「殴んの?」
冷たい声で、拳を握っていた事にやっと気付くなんて。
睨み合ったまま。
どうする事も出来ない。
「翔くんはさ」
あなたを失いたくない。
今日は同伴出勤だな。
そんな事を言いながら車に乗り込んだ智くんは、只今助手席で爆睡しております。
すっかり春(というよりは初夏)の空気に変わった外気を取り入れながら走る車は、そりゃあ気持ちが良いだろう。
かく言う俺も昨夜(いけない事のし過ぎ)の寝不足がたたって、かなり運転がしんどいです。
久しぶりのオフを智くんと朝からずっと一緒に過ごして。
夜は例の如く、例の事を。
それはそれは素晴らしい一日でした。
会う度、触れる度に膨らんでいく智くんへの想い。
付き合って、それなりに身体を重ねるようになったら少しは落ち着くのかと思っていたが、それは全く逆で。
日毎に強くなる愛しさに自分でも恐くなる事があるんだ。
愛と言う名の執着。
多分、それなんだ。
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