いま愛を語ろう

□タナバタ
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「七夕だな」
「え?」


待ち合わせた公園のベンチ。


おせーよ。

何やってんだよ。

帰っちまうぞ。


そんな言葉を予想してたのに。

第一声がそれですか?


「そ、そうだね」

今日は確かに七夕です。

多分色んな土地の、色んな場所で七夕にちなんだ祭や行事がとり行われている事でしょう。

あ、え?

もしかして。


「七夕祭とか行きたかった?」
「や、別に」

ベンチの片方に寄って座っている智くんの横に腰を降ろして横目で顔を盗み見る。

「あちー」

うっすら汗をかいた額が太陽に照らされて光ってます。

………めっちゃ美味し…かっこいいです智くん!


また日焼けしましたよね?

つか、一体いつ出掛けてるんですか!?

ああ、でも最近じゃ日焼けした顔も精悍でナカナカ色っぽいというか、なんというか。


「汗が流れてるよ」

首を伝うそれが妙に。


「翔くん、エロイ!」

あっ、それ、くそっ。


智くんの腕で拭われた額と首筋の汗が勿体ないなんて。


俺って相当…。


「変態」
「!?」



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