いま愛を語ろう

□フラワー
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夏です。

たま〜にメチャメチャ気温が低い夜なんかもありますが。

「夏だよ〜智くん!」
「…わかってっから、あんま」

くっつくなよ、と、へばり付いた身体を離されました。

う〜ん、いつもながらツレナイひとだなぁ。

だけど、今日はめげませんよ俺は。

「ね〜え、智くん」
「……あんだよ」

日焼けした耳が痒いのか?

さっきからポリポリと掻いてますが…って、そうじゃねーし。

「だからさ、今晩お暇かな〜なんて」
「だからってのが、繋がってねぇ気がすんだけど」
「イヤイヤ、繋がってるってば」

あれ?

なんだか反応が薄いなこのひと。

まさか。


「…今日が何の日か」
「知らねー」
「早っ」

即答!?

だって夏だよ!?

夏って言ったらあれしか無いでしょ?

「翔くん」
「え?」

じと、とこちらを眺める眼に力が入ってますよね?

「ちょっと、イライラしちゃいそう…」
「うわわっ、ごめん」

つか、もっとこう甘い感じで誘いたかったよ智くん。

「花火大会行きませんか?」


ね?

夏だから。



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