短篇
□鬼と花―梢―
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真夜中の大江戸病院。
容体が急変した一人の患者に緊急治療室の中は慌ただしかった。
「な、何なんですかあなた方は!?」
緊迫する白い治療室に、似つかわしくない黒い集団が現れた。
「お静かに。私達はその女に用があるのです。」
「貴方は蔵場さん・・!これは一体何のつもりですか!!」
治療室にいた医師の一人が叫んだ。
「お静かにと言ったはずです。なに、時間を稼ぐだけですよ。」
脇にいた二人が医師達に銃を向けた。
「先生以外の方は出て下さい・・・船の手配を。」
「何でこんな時にガス欠なんか起こすんですかぃ旦那ァ!!?」
「うるせー!うちは財布がガス欠なんだよつまり金欠なんだよコノヤロー!!」
・・えーっと・・・・
本来ならスクーターで港に向かっているはずの銀時と総悟は道路の脇を走っていた。
理由は言わずもがな、スクーターがガス欠を起こしたのである。
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