捧・頂

□まだ言えない
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学校生活と言われて欠かすことができないのは

「テスト」

である
それはこの銀魂高校にも無縁なことではない


静かな図書館で向かい合って勉強している男女

男は土方十四郎
女は沖田ミツバ

2人の間には会話がまったくなくただただ重い空気が流れていた

ミツバの弟の総悟や仲のよい近藤たちと勉強会を開いたことはあったが2人きりの勉強会は今日が初めて

お互い思春期特有の恥ずかしさから会話をすることができない

カリカリとペンをノートに滑らせる音と時間だけが流れていく

土「(…なんだこの空気。めちゃくちゃ重いんですけどォォォ!!)」


ミ「(あんなに楽しみにしてたのに無性に帰りたいわ…)」

そんな状況で勉強が進むはずもなく、お互い書いては消してを繰り返している


土「……ミツバ、分かんないのか?」

ミツバは参考書を読んだりしているのだが表情が苦い

なにより土方がこの空気に耐えられなかったのである

ミ「はい。数学の問題がよく分からなくて…。」

土「見せてみろ。」

土方はミツバの方へ軽く身を乗り出す

土「この数式はこれを代入してやれば解ける。」

シャープペンで式に説明を書き込んでいく

ミ「なるほど。やっと分かりました。有難うございます。
…あの十四郎さんも分からないんですか?さっきから苦い顔してるわ。」


ミツバは土方の顔をしたから覗き込む

土「っ!!」

突然のできごとに顔を赤くする土方

ミ「この問題が分からないんですか?」

土「あ、ああ。」

ミ「これはですね・・」

ミツバは顔にかかる前髪を耳に掛ける

土「(ヤベ…。ミツバ色っぽい……。ってイカンイカン!)」

高校生男子の土方は時より発射されるミツバの天然仕草爆弾に理性と格闘していた

ましてや土方はミツバのことをずっと思い続けていた
土方の胸はずっと高鳴ってばかりいる

それに気づいているのかいないのかミツバは土方のノートを覗き込む



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