REBORN!!
□第1話 初めての友達
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「雫ちゃーん、検査の時間ですよー。」
「はーい。」
並盛町にある病院。
今返事をしたのは山岡雫。
先月ここに移った病弱な少女である。
「じゃあ熱計っててね。少ししたら戻って来るから。」
「わかりました。」
雫の一日は検査から始まる。
そして朝の病院食、検診、昼ご飯、検査、夜の病院食、就寝。
毎日同じ事の繰り返し。
しかも5才からこんな毎日を過ごしている。
個室である病室には誰もいない。
担当医師と一部の看護師しか知らないが、
雫はある大企業の令嬢なのだ。
両親はほとんど来ない。
姉に会ったのはいつだったか。
兄とも最近は会っていない。
雫の側にいるのは、幼い頃から自分の面倒を見てくれている執事の爺だけだった。
「私・・・どうしてこんな体なのかな・・・。」
生まれたときから体が弱い雫は、この15年間、外に出たことなど病院の移動の時だけだった。
学校に行ったことも無く、友達もいない。
雫の心は閉じていくばかりだった。
今日もそんな日々の一部だと雫は思っていた。