REBORN!!

□第1話 初めての友達
2ページ/7ページ

「雫ちゃーん、検査の時間ですよー。」

「はーい。」


並盛町にある病院。


今返事をしたのは山岡雫。


先月ここに移った病弱な少女である。


「じゃあ熱計っててね。少ししたら戻って来るから。」

「わかりました。」


雫の一日は検査から始まる。
そして朝の病院食、検診、昼ご飯、検査、夜の病院食、就寝。

毎日同じ事の繰り返し。


しかも5才からこんな毎日を過ごしている。


個室である病室には誰もいない。



担当医師と一部の看護師しか知らないが、





雫はある大企業の令嬢なのだ。




両親はほとんど来ない。
姉に会ったのはいつだったか。
兄とも最近は会っていない。


雫の側にいるのは、幼い頃から自分の面倒を見てくれている執事の爺だけだった。







「私・・・どうしてこんな体なのかな・・・。」




生まれたときから体が弱い雫は、この15年間、外に出たことなど病院の移動の時だけだった。


学校に行ったことも無く、友達もいない。




雫の心は閉じていくばかりだった。




今日もそんな日々の一部だと雫は思っていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ