かさかさ、と枯れ葉が舞い上がる。
もう秋だ。
冷たい風が窓の外で静かに吹いている。
「秋ってさ、なんか寂しいよな……」
『そうですかね?』
「ああ。この寒さとか、枯れ葉が舞い散る感じとか……」
ダリアの執務室の窓から見える景色を見て、黄昏るように言うライト。
『冬の方が寒いです。枯れ葉は趣があって綺麗じゃないですか』
ふふ、と笑って書類をまとめるダリア。
『私は秋が四季の中で一番好きですよ』
書類を机の上に置くと、椅子から立ち上がって窓辺に歩み寄った。
青を基調とするグランコクマの軍本部。
その中で、紅葉の黄色や橙色が映える。
『紅葉狩り、したいですね』
そう言うと、ライトは声を抑えて笑い出した。
『……何がおかしいのです?』
呆れたように聞くと、ライトは腹を抱えて笑った。
そんなに面白おかしいことがあったのだろうか。
「いや、何かしたいって思うと必ず陛下が出て来ますから」
そういえばそうだ。
ピオニーは何かにつけて、一緒にお祝いやら何かをしようと言い出すのだ。
『こういう時こそ、陛下を利用しましょうかね』
口元に笑みを浮かべるダリアは、先程机の上に置いた書類を持った。
『ちょうど陛下に見て頂きたい書類があるので行って来ます』
ぱたん、と執務室のドアが閉められる。
ダリアの執務室にはライト1人になった。
「やっぱ1人は寂しいかも……」
急いでダリアを追いかけると、一緒にピオニーのところに向かった。
そして2人の思惑通り、ピオニーは紅葉狩りをしようと言い出し、ジェイドを含めた4人で紅葉狩りをすることになった。
『作戦成功ですね、ライト』
「ナイスです、ダリアさま」
END.