短編集
□交わる世界!遊んで戦って大騒動!
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〜はやと視点〜
いや、珍しく今日は風樹に誘われて折角の休日に表に出てみたんだ。なのに…。
「何で俺がお前等の買い物に付き合わなきゃならんのだ」
「いいじゃねぇか、暇なんだろ?」
隣を歩く風樹。後ろにはその彼女の羽音と、妹分の無卯磨。
つまり俺は荷物持ちに抜擢されたのだ。
不満タラタラの顔で歩く俺。もし翼があったら、この場から逃げ出せるのになぁ。
「後で何か奢るからさ」
「…チョコパフェな」
「おっ、はやと達だ」
取引をしていると、ある顔馴染みに会った。
「零夜に桜じゃないか」
「よぅ」
黒崎零夜と、妹の黒崎桜。
この2人が並んで歩いてるのも珍しいな。
「何処かに行くのか?」
「これから銀行に寄った後でデパートにな」
そこから先は、零夜が俺と風樹にだけ聞こえるように近付いて言った。
「…間違えて桜のプリンを食べてしまったから機嫌直しにパフェ奢るんだ」
「「なるほど〜」」
そりゃ気の毒に。よく見たら顔に引っ掻き傷があった。
で、当の本人は…。
「ごろにゃあ〜♪」
「うぅ〜」
「むぅ…」
羽音と無卯磨を撫でて和んでいた。
オイ、猫化進んでるぞ。
「はやとと風樹達は?」
「実は俺達も行き先が同じなんだよな」
風樹のバイト代が入ったから、銀行で下ろしてからデパートに向かうそうだ。
「そうだったのか。なら、一緒に行くか」
「ああ」
「いいぜ」
「ふにゃ〜♪」
桜、いい加減離れてやれ。歩きにくそうだぞ。