すた☆だす 2nd Season U

□第39話「離れ行く道々」
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「屋上で……それって、楽しいの?」

しかし、みちるは俺を叱るどころか、興味津々といった風に俺に再度訪ねてきた。
何がしたいんだ、このお坊ちゃんは。

「まぁ、楽しいな。授業なんか退屈だし」

変わった反応に拍子抜けした俺は、思わず普通に答えてしまった。
すると、みちるは感嘆の溜息を吐いた。
こんな不真面目なことに興味があるなんて、最近の優等生は変わってんのな。
けど、これ以上は俺の方から話すこともない。
俺は菓子パンを食い終わると、ゴミを持って教室から出ようとした。

「また屋上に行くの?」

だが、みちるは何故か付きまとってきた。
俺を小馬鹿にしてる……風には見えない。やはり、単に興味なんだろうか。

「あ、ゴメンね」

いい加減煩いので、ムッなってと視線を送ると、みちるは干渉し過ぎた自分を謝った。

「白風君みたいな人、初めて見たからちょっと気になって……」
「……俺みたいな奴、気にしても仕方ねぇよ」

何の変哲もない、ただの高校生。お坊ちゃんとは土台が違う。
これ以上は関わり合いにならないだろうと思いながら、俺は屋上へ向かった。
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