短編集
□ファーストデート
2ページ/13ページ
「ん?何だこれ」
はやと君が机の上のチケットを手に取った。
「遊園地か。行くのか?」
「う、うん」
「へぇ…ってこれ、男女ペア券じゃん」
「えっと、一緒に行く人がいなくて…」
「もったいねぇな」
一通り見た後、はやと君はチケットを戻した。
…ここで言わなきゃ!
「は、はやと君。来週の日曜日予定ある?」
「え?ないけど」
「じゃあ…一緒に行ってください!」
ペア券をはやと君に差し出して、私は頭を下げた。
「い、いいけど…何で敬語?」
「ごめんね…」
「まぁ、いいや。喜んで行かせて貰うよ」
はやと君はチケットを受け取ってくれた。
よ、よかった〜。
はやと君と…デート。
私はまた顔を真っ赤にしてたと思う。