すた☆だす 1st Season

□第1話「色々と、始まり」
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〜つかさ視点〜

お昼休みになって、私達は屋上でお弁当を食べる事になった。
でも、こなちゃんは

「ごめん、コロネ買ってくるから先行ってて!」

と言っていなくなっちゃうし、お姉ちゃんは

「私も飲み物買ってくるから、悪いけど先に行ってて」

ってこなちゃんの後を追って行っちゃった。
ゆきちゃんは委員会の仕事で遅くなるって言ってた。

だから、今は私一人で屋上にいる。
早く来たから誰もいない、と思ってた。

「雲はいいよなぁ……」

不意に、上から人の声がした。

「もし翼があったら、俺も空を自由に飛びたいなぁ……」

上には鳥の群れに囲まれて、寝転んでいる人がいた。
あの人の言ってること、何だかロマンチックだなぁ。

「よっと」

その人が急に起き上がり、私の目の前に飛び降りた。すると周りの鳥達も飛んで行く。
その時一瞬だけど、まるでその人に翼が生えているように見えて、綺麗だった。

驚いて、何も言えなくなった私にその人が気付いた。
そしてこれまた急に私に手を伸ばす。
思わず目を瞑ってしまう私。

「付いてたぞ」

彼の言葉を聞き、目を開けると彼の手には鳥の羽が。
さっき頭に落ちてきたのかな。
綺麗な空色の髪に、翠色の眼をしている彼は、私に羽を渡して行ってしまった。

第一印象は、不思議な雰囲気を持った男の人だった。

「お〜い、つかさ〜?」
「どうしたの? ボケッとして」
「何かあったんでしょうか?」

 
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