モノクロ

□04
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レッド君が私に告白してから……


何故か平凡な生活がめんどくさい事になってしまった。



「では今日はここまで」




授業が終わり、チャイムも鳴り終わる。
当然、ここまでは今まで通りの平凡な生活。
だが、新たな生活はここからなのです。


「百合ー!」



3年の廊下に響き渡る私の名前。

まだ授業の終わっていないクラスだってあるのに、大声で恥ずかしい。


「久しぶりッス!」

ガラガラとドアが開き、満面の笑みを見せる切原赤也。

最後に会ったのは1時間前。

久しぶりと言える時間ではない。


「むっ、また来たのか赤也」
「真田副部長には用無しッスよ。俺は百合に逢いに来たんス」


私に抱き付き「べー」と舌を出すレッド君。
真田相手によくやりますね。


「それより聞いて下さいよ百合!さっきの授業英語だったんスけど、分からないのに先生俺を指しやがって……酷いと思いませんか?苛めッスよね」

私に訴えても何もしてあげられないよ。
むしろ私の方が苛めに遭ってます。
苦しいのですが……。





「ねぇ百合〜、聞いてます〜?」
「聞いてます聞いてます」


だがしかし、右の耳から左の耳へと受け流す。
聞いているが頭には入っていないのだよ。残念だったなレッド君。





「百合〜。百合〜?」



ていうか、いつまで抱きついてんだよこの子。
いい加減にしないと殴っちゃうよ。


「そういえば赤也、何故敬語なのに安藤の名前は呼び捨てなのだ?」


変に気にしていた真田の疑問。確かに、敬語なのに名前だけは呼び捨てだよね。
時々会話に違和感を感じるもん。


「初めて百合に逢ったとき同い年かと思ってたんス。それからずっと百合って呼んでましたし……」



同い年って……

ちょっとショック。


私、女子の平均身長より大きいのにな。



「やっぱり、先輩って呼んだ方がいいッスか?」



首を傾げて上目使い…


なんだこの子……












「男なら男らしくしろー!!」


我慢の限界がきて、思いっきり殴りレッド君との距離を置き、自分でも分からないが何故か身構える。


「好きなように呼んでいいから!
つかチャイム鳴ったから早く教室に戻りなさい!!」
「なんスかその投げやり!」
「さっさと戻れって言ってるの!行きなさい!」


襟を掴んで強制退場。

これも百合の愛情なんスねー!
と叫びながら帰っていくレッド君に、バカヤローと叫んだ。







早いクラスは既に授業が始まっているのに……


恥ずかし過ぎるよバカ。












(キミが可愛いと思えたのはきっと気のせい)

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