モノクロ

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テニススクールに着き、すぐに人が集まるテニスコートへと向へばレッド君ではない男の子。つまり、対戦相手の人が出てきた。


けど彼の着る服に記憶がよみがえる。

胸元にはしっかり書いてあるから間違いではない。


青学の人だ。



2人が視線を交わすと同時に、彼は真田に倒れ込み規則正しい寝息を立て始める。
初めて見たし、身長からして多分1年生だろう。
するとそこへ、唯一試合を見ていた黒豆が真田に駆け寄り「すまない」と一言。
それなのにも関わらず、真田は平手打ちをして黒豆を吹き飛ばした。
いくらなんでもそれは可哀想だが、部外者の私が口を挟んでいい問題ではない。
次に向けられた視線の先はレッド君へ。
「赤也!」と真田は叫び、スコアボードを見た。
結果は「6―4」で、切原が4と書いてる。つまり……


「レッド君……」
「へへっ。負けちまいました」

彼の言葉に、どんな思いがあったのかなんて私が知るわけがない。
考える余裕もなく、次に起きた事に意識が飛んでしまったから………。



さっきよりも大きく鳴り響いた甲高い音。
真田の前で倒れ込んでいるレッド君。
先輩達からの厳しい一言。


決勝前に。しかも決勝戦の相手校と試合をした赤也君が間違っている事は分かる。

でもいくら「負けてはいけない」という幸村と交わした約束でも……






(王者に君臨する彼等の姿を見たのは、こんな近くに居たのに初めてだった)

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