短編集B
□私の彼は居眠り王子(過去拍手)
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『おーい楓・・・ってまた寝てる!』
(よくこんなに寝れるなぁ・・)
って違う!感心してる場合じゃない!
『ねー次移動だよ!起きてってば!!』
私は楓の体を力一杯揺すってみるが、全く起きる気配がない
(早くしないと授業始まっちゃうよぉ・・・)
私は寝ている楓の顔を覗き込む
楓の顔は女の私でも羨ましくなるほど綺麗で整っている
私は教室に誰もいないのを確認して―――
そっと楓のほっぺにキスをした
「・・・・む」
『うぁっ!お、起きたの!?』
「・・・おー」
ガシガシと頭を掻きながら、楓は眠そうに目を細めた
その様子が子供みたいでなんだか可愛くて、私は思わず笑ってしまった
『ぷっっ!!』
「・・・何がおかしー」
しかめっ面して楓が言う
『別にー!楓は居眠り王子だっ!』
「あ?」
『ふふっ、早く行こ!次移動だよ』
「・・・?おー・・・」
楓はワケがわからないといった顔をしたまま、フラフラと立ちあがった
お姫様のキスで目覚めるあなたは
居眠り王子・・・
END
過去拍手ショートストーリーに掲載したものです。
2013.2.14