短編集@

□黒いネコ
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気まぐれで
自分勝手で
何を考えているのかよくわからない
それでいて時々すり寄って来る甘えん坊

彼は黒いネコ


『ねー』
「・・・・」
『おーーーい』
「・・・・」
『・・・・』
「・・・・」
『バカ流川(ボソッ)』
「・・・む」

相変わらず無口な彼に意地悪してみる。
「バカ」に反応したのか眉間にシワがよっている。

『起きてるんなら返事してよ』
「・・・おー」
『今日はいい天気だねぇ』
独り言のように呟いて空を見上げる。
お昼休みの屋上はポカポカしててなんだか気持がいい。


「くぁっ・・」

大きなアクビをした流川はそのままゴロンと横になった。
私はサラサラの黒い髪に指を通してみる。
ほんの少しだけ、気持ち良さそうに目を細める彼がすごく愛おしい。




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