短編集@
□黒いネコ
1ページ/3ページ
気まぐれで
自分勝手で
何を考えているのかよくわからない
それでいて時々すり寄って来る甘えん坊
彼は黒いネコ
『ねー』
「・・・・」
『おーーーい』
「・・・・」
『・・・・』
「・・・・」
『バカ流川(ボソッ)』
「・・・む」
相変わらず無口な彼に意地悪してみる。
「バカ」に反応したのか眉間にシワがよっている。
『起きてるんなら返事してよ』
「・・・おー」
『今日はいい天気だねぇ』
独り言のように呟いて空を見上げる。
お昼休みの屋上はポカポカしててなんだか気持がいい。
「くぁっ・・」
大きなアクビをした流川はそのままゴロンと横になった。
私はサラサラの黒い髪に指を通してみる。
ほんの少しだけ、気持ち良さそうに目を細める彼がすごく愛おしい。
.