短編
□雨雲と太陽の合間
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梅雨入りして、雨の日が続く…
その日は久々に朝から晴れ間が射していたけれど、天気予報では昼過ぎから80%雨が降ると予想されていた
光:(…降って来た)
(5限目の授業を受けながら、窓に付いた雨粒に気付いた光はそのまま暫くの間それを眺めていた)
予報通り昼過ぎにはぽつぽつと降り出し、放課後には少し強めの雨へと変わっていった
勿論の事あたしも、大半の生徒達も傘を持って登校しているので困りはしないのだけど…
あたしはひとりだけ困っているであろう人物が思い浮かんでいた
「あ〜あ…今日も雨かよι朝はあんなに晴れてたのによ」
(昇降口の扉の外に佇み、どんよりとした空を見上げながら呟く少年。
そんな彼の横で傘を開いて生徒達は次々と下校して行く…その人数も疎らになった頃に光は少年の後ろ姿を見つけた)