book(J)
□思いが溢れだす
4ページ/5ページ
「弘樹…次の席替え適当にしていいらしいから、隣になるか?」
…嘘つくなよ
「…高橋に言えよ」
「…弘樹」
俺は…
「わかってたよ。高橋が好きなんだろ?」
お前が…
「応援するからさ」
…大好きなのに。
高橋のところにいく秋彦をみながら
俺は机に倒れこんだ
窓の外は快晴
いつか俺の気持ちは溢れだすのかな
ずっと…染み出して…
ずっと…流れるのかな
どうしよう
傘を持っていない
「浅茅生の小野の篠原忍ぶれどあまりてなどか人の恋しき」
傘なんてなくても
もう思いっきり
濡れてるか
あなたへの思いが溢れだして止まらない