トレード02

□☆彡【はつかねずみのお菓子の家】
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『ふぁ………』


雑誌を見て、大きくあくびをするかがり。
リビングソファーに寝転んでいるのだが………その姿、まるで芋虫。
その間抜けっぷりに、思わず笑うきらはついつい問い掛けてしまう。


『なになやんでるの?』

『………う…ん………』


かがりはちっちゃくとがらせた唇を動かした。


『あすらんの誕生日プレゼントどうしようかな……って』

『………あすらんなんて、君といっしょにすごせればほかにはいらないって言うよ、きっと』

『………それはそうだけど』


………それじゃ特別な日にならないじゃないか………


ふぅ………と、またためいきがもれる。
きらとしては親友の考えそのものをいいや!!!
なんて思ったので、そのあとはだんまり。
椅子にすわって本を読み出したのだけど………
かがりのためいきがうるさく、自室の方がのんびりできるなぁ………と思い始めていた。
そこへ扉が開き………


『みてくださいな!!………どうです?』


らくすが部屋にはいってきて勢い良く回転する。
回転と同時に………何かが飛んできたので、思わずきらは頭をよけた。


『………なにそれ?らくす?』


目を点………ではなく、明らかにきらきら輝かせるかがり。


『魔女ですわ!!』


………

………………黒い布に白い骨がいっぱいぶらさがって………


『………骸骨の間違いじゃないの?』


どうです?……って、言いながら、さっき飛ばしてきたのは骨……だったのか………
ステッキの先についてるあれか………


そう、きらはらくすの持つステッキをみつめながら言った。


『………魔女のつもりですが、骸骨ですか!!』


らくす的にはどちらでもいいようだ。
かがりがにこにこしているので気分がよいのだ。


『なんでらくすは骸骨になっているんだ?』


かがりはらくすの隣で骨を引っ張ってみる。


『あら、かがりさん………もうすぐハロウィンですわ』





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