▽パッチワーク マーカー▽

□【赤を染めるもの】
1ページ/1ページ






『………280………350……』

コックピットで右足ブースターを踏み付ける。

『ヴィーノ!!!これ以上上がらないぞ!!!』

シンは耐え切れず叫んだ………



『え?……なんだ?』

ヴィーノの返事が微かに聞こえる。



『………だから無線機よこせって言ったのに………』

シンはコックピットから顔を出す。



アスランと……ハイネが歩いているのが見えて………



更に周りを見回して……ヴィーノを見つける。





『………お前………ホントにメカニック泣かせだよな………』

ヴィーノはシンに言う。

『ブースター……取り替えんの面倒なんだぞ』

『ごめんよ……ヴィーノ……』

『少しはアスラン見習ってくれよ………あのヒト……配属されてから一度も部品交換してないぞ』

『へぇ………でもこの間、分解してたじゃん』

『オーバーホールだけだよ……間接部分のゴミ掃除で終わって………ある意味メカニック泣かせ』

そうヴィーノは笑い………シンの肩を叩く。

『コツ聞いてきたら?』

『………わかったよ………』
唇を尖らせて……シンはアスランを探し始めた。





今度は………ヴィーノの腕により圧力をあげていくブースターの音が格納庫に響き………



………確か………こっちに………

ブースター音の陰に聞こえた物音………

整備員の宇宙服用更衣室………地球に降りているのに何故……音が?

シンは……制服の腰元から拳銃を取出し………扉を少し開けて、中を伺う。





『!!!!!』

絡み合う身体と身体………

脱がされてしまった裸体の主は………

藍色の髪を乱し………

腰を……揺らされて……

『止めて……ハイネっ!!!』





涙を浮かべた憧れのヒトに………

初めて情欲を感じた………





20090609



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ