トレード02

□☆彡【valentine eve】
3ページ/8ページ




『………あ………あぁ』

聞いてみたいけど、聞きづらい。
明日のカガリの本命は………誰………なんだ。
一昨年も、昨年も………
あまり気にはならなかった。
もらえるだけ………
ありがたいんだと、自分に思い込ませていた。
でも………
今日は家に居座っているけれど、
同じ男子校に通うキラに彼女ができた昨年………から、
それなりに焦りはあった。
キラと遊ぶ時間が減った。
それもあるのかもしれない。
………単純………だな
そう、自分に言い訳してもいた。
でも、たまにはいいだろ?
毎年もらうチョコレートの意味を………知りたいって思っても………

『明日は………カガリもデートなのか?』

カガリと同じぐらい………大きな瞳を丸くしたキラは驚いていた。

『………なんで?』

『ぇ………だって、これは義理だろ?』

キラのきょとんとした視線は変わらない。
………俺、何か変なこと言ってるか?
前日に渡す意味は、そういうことだろ???
キラはゆっくり視線をそらし………
まぶたを閉じた。

『………カガリの学校、行って来たら?』

『………なんで………』

『別に共学だから、男が紛れてもわからないって!』

にっこり笑ったキラの意味がわからず………
俺は眉をしかめながら、
どうカガリの学校にもぐりこもうか考えていた。


次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ