銀魂

□泊めて。
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しまった。
やられた。
記憶喪失になんかなってなきゃこんな事には……。

そう、万事屋は坂本辰馬によって破壊されてしまった。

そして帰るところのない銀時はフラフラしていた。
神楽と新八は道場に転がり込んだ。
しかし銀時は入れてもらえず、今日どこで寝るかすら決まってなかった。

マ(※)『なんだって?今日泊まるところがない?』

※マダオの略。

銀『だから困ってんのよ、なぁ長谷川さん。今日だけ泊めて?』
マ『泊めてもくそも…俺の家、あれだぞ?我慢できるならいいけど…。』
銀『………やっぱいいです…。』

銀時も忘れていたが、長谷川はダンボールで暮らしていた。

桂『泊めてほしい?』
銀『今日だけでいいんだけど…。』
桂『攘夷志士になるんだったら何泊でもかまわないが…オイ、銀時。どこへ行く!!!』

ヅラは無理だな。
めんどくせぇし。

………となるとあそこしか…。
あんまり迷惑をかけたくないのだけれど。
しょうがない。
行ってみるか……。

*************************************

銀『土方ー。』
土『オイコラ、お前何勝手に屯所に入ってきてんだよ。』
銀『でも最近では俺が勝手に入ってきても誰も止めねぇよ。むしろウェルカム状態。』
土『……なにやってんだか。』

土方はため息をついた。

土『……で?なんか要件があって来たんじゃねぇの?』
銀『あのー、大変申し訳ないんですが……。』
土『なんだよ、よそよそしい。』
銀『……ちょっとの間……。』
土『?』
銀『……泊めて?』
土『……ああ?』

何言ってんだコイツ。
ちょっとの間ってどんぐらいだよ。

銀『いやだからさぁ、ちょっと古い友人(?)に家壊されちゃってー。助けてほしいんだわ。』
土『壊されたって…。しょうがねぇな………。』
銀『泊めてくれんの!?まじっすか!!』
土『……泊まるったって屯所にだけどな。ちなみに副長室なら俺もいるし…。』
銀『あれー?土方君と同室?ヤバいよー?俺、変な気分になっちゃうよー?』
土『………馬鹿。』

なんだかんだ言って土方は優しい。

だから俺は土方と付き合っていけるんだ。
これは他の誰でも努められない。

銀『じゃあ今日からよろしくね?』
土『………ああ。』

…とは言ったものの、現在土方は仕事中。
仕事中は邪魔したくない。
なので、仕事中は他の部屋に行ってる事にした。
しかしまだどんな部屋があるのかわからないため、屯所内を探検する事に。

銀『……あら、すごく広いじゃないの。こんな所で税金無駄にして心が痛くないのかね!!!』

そこで不思議な部屋を発見。
襖の色が違う。
なんか高級そうな…。
入ってみると、そこにはお妙の写真をアルバムに整理する近藤の姿が。

近『………いや、違うって。これには深いワケがあるんだってマジで!!!』
銀『いや、聞いてねぇよ。』
近『これは…歌舞伎町の市民のアルバムなんだって!!!みんなの笑顔が眩しくて!!!!!』
銀『…どう見てもお妙の写真しかないんだけど。』
近『目の錯覚だァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

その声を聞きつけ、沖田が走ってきた。

沖『近藤さん、どうしたんですかィ!!………ってあれィ?旦那?』
近『そーだ!!!なんでお前ここにいるんだ!!!』
銀『あ、今日からちょっとの間泊めてもらう事になったから。』
近『…いやいやいや、誰の許可だ。俺はかまわないが土方がブチギレるぞ。』
沖『近藤さん、おそらく土方さんが許可出してまさァ。』
銀『そうそう、土方君がいいって…。』
近『あー…なら別にかまわないが…さっきのお妙さんの件は…。』
銀『うん、黙ってるよ。』

これを聞いて近藤もほっとした様子。

沖『旦那ァ、ヒマなんですかィ?』
銀『…正直ね。』
沖『じゃあまた俺とオセロしませんかィ?前回決着がついてないですぜィ。』
銀『そうだったなぁ、悪い悪い。』

総悟の部屋に行ってオセロをする事に。
前回は土方が乱入したため、最後までできなかった。

沖『旦那ァ、俺には旦那だけなんですぜィ?』
銀『そうかそうか。そりゃ良かった。すげー俺って好かれるタイプなのな。』
沖『……こうしてかまってくれるのも旦那だけ。旦那には感謝してますぜィ。』
銀『……ほら、お前の番だよ。』

総悟はそういうことを口に出すタイプではないので、銀時も少し不思議がっていた。

沖『……………。』
銀『そろそろ土方の仕事も終わったろ。じゃあな、また遊んでくれよ。っても副長室ないるから。』

今度は最後までオセロを楽しんだ。
あの負けたことのない総悟が負けた。

旦那は土方さんのどこが好きなんだろう。
あんなマヨネーズ魔のどこが…。

そう思っているのは沖田だけではなかった。

銀『ひーじーかーたー。』
土『おう、今仕事終わった所だよ。』
銀『ずいぶん真剣に仕事してんだな。』


 
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