家庭教師ヒットマンREBORN!!

□桜
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雲『……あれ、また来てたの?いい加減にしてよ。』
骸『クフフ…そう怒らないでください。綺麗な顔が台無しですよ。』
雲『………………。』

雲雀は困っていた。
その困りの原因はコイツ。
六道骸。
ここ最近週に2〜3日は来ている。
毎日じゃないだけありがたいが。

しかも何をするわけでもなく、応接室の椅子に座ってずっと雲雀の顔を見ている。

そんな事をされると雲雀の風紀委員の仕事も片付かない。

雲『……君は一体ここに何しに来てるの?ヒマでしょう。』
骸『いや、楽しいですよ。』

もう雲雀には理解ができなかった。
骸の頭の中が読めなかった。

雲『……何がしたいの?』
骸『貴方の顔を見たいだけですよ。気にしないでください。』
雲『…僕の顔?何かついてる?』
骸『……別に?』

もう雲雀はもどかしさでいっぱいだった。
すると骸が話し始めた。

骸『こんな気持ちは初めてなんですよ。』
雲『ふぅん、どんな気持ち?』
骸『…貴方を見ているとね、桜を見ているような気分になるんですよ。』
雲『…ふぅん。』

よくわかってない様子の雲雀を見て骸がため息をついた。

骸『とりあえず、貴方の事が好きになってしまったのかもしれません。』
雲『…………。』
骸『…また来ます。』

クフフ、と笑って骸は帰っていった。

………好き?
僕にはわかんないや。

その《好き》は恋愛感情の《好き》なのか。
雲雀にはわからなかった。
しかし、それから一週間、二週間、三週間たっても骸は来なかった。

さすがの雲雀もおかしいと思い始めた。
あんなに前は来ていたのに。
少し寂しいとまで思うようになっていた。

……なんで僕が好きなんだろう。
あの人の周りにはもっと可愛くて優しい女性がいると思うんだけど。
僕のどこが好きなんだろう。

会いたい。
会って話をしたい。
顔が見たい。
何もしなくていい。
ただ顔を見て、元気なのか確認したい。

雲『……あ。』
綱『ん?どうしたんですか?雲雀さん。』
雲『あの人の気持ちが今わかりました。』
綱『……あの人って誰…?』
雲『ごめん、今日は帰るよ。』

綱吉を置いて、気がつけば雲雀は応接室へと向かっていた。
綱吉との約束を断ってまで確認したかった事。

応接室を開けると、いつものように骸が座っていた。

骸『……お久しぶり…ですかね。』
雲『…最近来なかったね、どうしたの?』
骸『いえ、こっちの事ですよ。』

いつもの骸の笑顔に安心する。

骸『気になっちゃいましたか?』
雲『………少しね。』

それを聞いて満足そうな骸。
つられて雲雀も少し笑う。

骸『…そういえば返事聞いてません。』
雲『………なんの?』
骸『前回会った時の告白の返事です。』
雲『…………。』

突然の会話の流れに戸惑う雲雀。
そういえば返事考えてない。
だけどこれだけはわかる。

ここでNOと言ってしまったら、多分骸は一生目すら合わせてくれない。

雲『……嫌いじゃないよ。』
骸『………それは好きと受け止めていいんですか?』
雲『…好きにしなよ…。』

一世一代の大告白。
《嫌いじゃないよ》が骸にヒットした様子で。

骸『…いいんですね?』
雲『……なにが。』

一見、ツンデレのような雲雀の性格が好きらしい骸。
骸は思い出したかのようにある物を手渡した。

骸『……あげます。』
雲『…なにこれ、嫌がらせ?』

骸が渡したものはそう。
桜。
花束だったが。
あいにく雲雀は桜クラ病にかかっている。
骸もそれを知っているはずだが。

それと同時に骸が雲雀にキスをする。

雲『……んッ…んんッ……!!』

少し抵抗する雲雀。


 
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