D-Grayman.

□浴衣に恋して
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ア『ラビー!ラビも一緒に花火しませんか?神田が持ってきてくれたんです!』
ラ『ユウが?やるやる!!』

神田が持ってきたらしい花火をやるために外に出た。
もう9月だというのに。
まだ暑い風邪が頬をかすめた。

ラ『……………。』
ア『どうしたんですか?』
ラ『…別に。』

うかつにも、見とれてしまったのだ。
神田に。
確かに神田は日本人で浴衣が似合う。
だけどそれだけではなかった。
確かに神田は綺麗だった。

神『…お前もやるか?』

線香花火をやっていた神田がラビに話しかけてきた。

ラ『やるやる、俺これがいい。』
神『待ってろ、火を付けるから。』
ア『神田とラビ見て見てー!!すごくないですかコレ!!』

アレンが無邪気に笑っている。
きっと楽しいのだろう。

神『ほら、火ィ付いたぞ。』
ラ『あ…ありがと。』

イカンイカン、俺はエリアーデさんのようなダイナマイトボディのお姉さんが好きなはずなのに。
なんでユウにドキドキしてんだ!?
アレンを見てもなんとも思わないのに………。

神『…これやると夏も終わったって感じになるよな。』
ラ『そうさね。俺は初めてやるけど。』
神『え?やった事ないのか?』
ラ『小さい頃から色々あったからね。』
神『……………。』

あのユウが俺に気を使ってる。
少し見てて面白い。

リナリーも外に出てきた。
コムイもリーバーも出てきた。
花火ってすごい力を持ってるんだな。
みんなの気を引く感じで。

あのユウを笑顔にさせるんだもんな。

ラ『ユウはやらないんさ?』
神『いや、俺はコレで。』
ラ『あっちの大きい方は苦手なんさ?』
神『こっちの方が魅力がある気がするだけだ。小さいくせに一生懸命輝いて……………。』

神田は線香花火を手に取った。

ラ『じゃあ俺もコレやる。』
神『できんのか?』
ラ『あっ、馬鹿にしてるんさね!?じゃあどっちが長く続くかやろうよ!!』
神『…負ける気がしない。』

結果、俺が負けたんだけど。
ユウが笑ってくれたから勝った気分。

神『……………。』
ラ『……………。』

2人は何も話さないまま、火を見つめていた。
普通なら気まずくなる空気。
今日は違った。
お互いに安心できた。



 
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