赤い妄想綴り

□泡沫
1ページ/6ページ

戦場では無双の槍の使い手。
武神、鬼神と恐れられ甲斐の国に
この人有りと謳われる真田幸村。

「じゃがのう…。」
信玄はふぅ、とため息をついた。
その武功は臣下の中で突出しているし
信玄自身の信頼も絶大だ。
いずれはこの国を任せようと思ってもいる。

だが、如何せんまだ歳若い。

て言うか 今時の若者にしては固いと言うか
戦馬鹿と言うかとにかく、視野が狭い。
人の上に立つならば、もう少し頭を柔らかくして
人望を集めねばならぬ。信玄はそう思っていたし、実践もしている。

「仕方ないの。我が手配するか…。」
信玄は可愛い家臣のために、立ち上がった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ