薄赤い妄想綴り

□前夜
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無言の返答は幸村に更なる力を与えた。

幸村は姫の帯に手を伸ばし、しゅるりと解く。

「…俺のお贈りした着物ですね…とてもお似合いです…
でも…。」
紅色の着物は姫の白い肌に映えるが、今は邪魔でしかない。

解かれた帯が傍らに落ち、緩んだ襟元に両手を差し入れて肩から着物を落とそうとすると
姫が手を胸の前で組んでせめてもの抵抗を試みた。
けれど進む事を決めた幸村には通用しない。
無理強いではなくごく自然に、その両手を開かせると
こぼれ出た豊かな白い胸が眩しい。
その柔らかな膨らみを大きな手が包む。

「…あ…っん…。」
思わず口から出た声ごと、再び姫の唇は幸村のそれで塞がれた。
「…んん…ん…。」
吸われて、絡められ身体が動かなくなる。

そうしながらも幸村の手は、ゆっくりと胸の膨らみから下へと下りて行った。
姫は荒くなる息を漏らす事も出来ずただ、
幸村の指が行き着く先がすでに熱くなっているのを感じた。

「あ…ぅん…っ。」
姫の身体がピクンとはねたのは、幸村が
一番敏感な部分に触れたからだ。
ようやく唇を離した幸村はその部分を優しく何度も指で撫でた。
「…ああっ…あ…んっや…!」
上気した顔で小さく叫ぶとしがみついて来る姫を片手で抱きしめて
幸村は更に指を這わせた。

そこはもう随分と濡れている。
幸村はゆっくりとその熱い部分に指を侵入させた。
「…あん…ああ…っはぁぁ…っ」
しがみつく姫の力が一層強くなり、幸村の指はざわざわと絡みつく壁に締め付けられる。

普段は槍を持つその無骨な指が、姫の中へそして外へと出入りを繰り返した。

姫の口からはかすれた吐息しか漏れず、
もう言葉にはならない。

幸村は唇を姫の肩に置き、強く吸うと赤い印をつけた。
そして侵入した時と同じようにゆっくりと
指を抜くと、座ったまま抱いていた姫の右腕を優しく掴み、引いた。

「え…?」

促されるまま、身体を動かした姫は
幸村に背を向ける格好になり振り向こうとしたら
まだ手を通したままだった着物の裾がめくられた。
「ゆ、幸村…!」
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