04/13の日記

23:39

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ひら ひら、と。

桜の花びらが舞い落ちるさまを、姫はひとりで眺めている。


僅かな守護だけ残しての出陣のあとは、屋敷はあまりに広く春だと言うのに寒々しい。

けれど毎日、武運と無事を祈るだけの自分が情けなくても、信じて待つと誓ったからにはそれを貫かねばならない。

風に巻き上げられ、桜の花びらが姫の元へと飛んでくる。

『姫様の花が散らぬうちに戻りたいと思いますが』

別れの時の幸村の言葉を思い出し、姫はハッと頬を染めた。

ゆっくりと手を上げて、細い指で触れる胸元には。


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「焦ってはならぬ。」

信玄が陣にておもむろに言う。

「破…っ」
そして神妙に膝をつき、礼をする幸村に真顔で続ける。

「姫につけた花の痕が消えるまでには戻ろうて。」

「…。」

そして顔をあげた幸村ににやりと笑って見せた。


この後、武田軍が圧倒的な強さで勝利しさっさと甲斐へ戻ったのは言うまでもなく…


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ああっ幸村が大人に…(笑)

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