04/15の日記

23:30

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かつて鬼神と呼ばれた赤備えの若者は
燃えるような闘志を瞳に湛えて守ると決めたもののためにその手を赤に染めた。

視界すらも朱色にぼやける いくさ場で修羅となりながらも背中に庇う大切なものがあればこそ。


そして汚れたその手を愛しむように姫は握りしめた。


「姫様。」

幸村は馬上で自分の背にしがみつく姫を振り返った。

「参ります。」

「はい。」

そして二人一緒に、最後の戦を終えた場所に別れを告げる。

幸村は愛馬の腹を蹴った。

「甲斐へ!」

共に走り出す忠臣たちに混じって、散っていった者達が背中を押す気がする。

甲斐の屋敷のあの桜は残っているだろうか。

もし無ければまた植えれば良い。

ひとつ ひとつ

大切なものを守り切ってこの手に出来たのだから。

「姫様。」

幸村は、馬を走らせながら呟いた。

「もう二度と、離しはしません。ですから姫様も…。」

その言葉に応えるように、幸村にしっかりとしがみついた姫の手に、力がこもった。

「…私も、離しません。」

二人を追うかのように、茜の空が迫り来る。

それはまた、次に生まれる陽のために。


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一日一話、ひと月続けて参りました。

きっかけは私なりの「おやすみなさい」でした。

何かのお役に立つなどと大層な事は考えておりませんでしたが
このひと月、沢山の方に励ましていただきました。

私の方が「おやすみなさい」と言われてました。

本当に感謝しています。

皆様と繋がれた事、私の人生で大切な意味があると思います。


一日一話は、これにて終了いたします。

本当に感謝感謝です。

ありがとうございました。

大切なあなたへ。

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